整形外科と内科

みなさん、こんにちは。

院長の黒岩真弘です。

 

1月14日に開院して約1か月が経過しました。

まだまだあわただしい日が続いていますが、私含めスタッフも徐々に新しいシステムに慣れ、少しずつ落ち着いて診療を行えるようになってきました。

名称変更前の黒岩内科は、ここ伊集院に開業して31年目ですので、患者様の数は現在も、まだ内科のほうが多いですが、整形外科の患者様も徐々に増えてきておりリハビリ室にも活気が出てきました。

 

さて本日は、この1か月の当院の診療を振り返る意味で、異なる分野である整形外科と内科が併設される「メリット・デメリット」について考えてみたいと思います。

 

整形外科が開業して日は浅いですが、この1か月間整形外科医である私が、内科医である理事長と一緒に診療を行ってみて、感じたメリットは主に下記の3点でした。

  1. 治療の安全性の向上
  2. 診断精度の向上
  3. 通院機会を減らせる

 

まず1番目の「治療の安全性の向上」という点について、1つの例ですが整形外科では関節内注射や腱鞘内注射、ブロック注射等、痛みの治療として注射を行うことが多くあります。

この注射を行う際に、糖尿病や不整脈等の持病のある方の場合は少し注意しなければいけません。たとえば糖尿病の状態があまり良くなければ注射によって細菌が入ってしまう危険性が上がりますし、注射の内容によっては血糖のコントロールが悪くなってしまう場合もあります。また不整脈などの持病があり抗凝固薬や抗血小板薬(血液がサラサラになるお薬)を内服している方の場合、ブロック注射等で深部に出血してしまう危険もあり、注射が行えないわけではないですが注意しなければなりません。これら注射の治療を行う場合に、内科と整形外科が併設されていることによりその場で持病の状態がわかるので、安全性を判断してから注射を行うことができます。

糖尿病のコントロールがあまり良くない方の場合はその日の注射はやめておいて、すぐに内科医と相談し糖尿病の治療を変更し、翌月に改善していれば注射、といった連携が可能です。整形外科で行う注射の危険性が高いわけでは全くありませんが、安全性を確認してからの処置、治療となるため、より安全に治療を行うことができます。

 

次に2番目の「診断精度の向上」という点ですが、診療を行っていると患者様の症状が整形外科的原因によるものなのか、内科的原因によるものなのか判断に迷う場合があります。

たとえば、「間欠跛行(かんけつはこう)」という症状があります。歩いているとだんだんとふくらはぎや足が痛くなってきて、しばらく休むと改善する、という症状です。

この症状は、整形外科的には腰部脊柱管狭窄症と言って背骨の中の神経の通り道が狭くなる病気からくることが多いのですが、同じような症状が閉塞性動脈硬化症という足の血管が狭くなり血流が悪くなる内科的な病気からくることがあります。

この2つの病気は症状が似ていることに加えて両方の病気を合併している患者さんも多いため、日常の診療で症状の原因はどこから来るのか、判断に迷う場合があります。

他の医療機関に勤務し整形外科のみで診療を行っていた頃は、このように判断に迷った場合には内科の先生に診療依頼を出すか紹介状を書き、一度内科を受診してもらって意見を聞く、というステップが必要になっていましたが、今は内科医とその場で気兼ねなく相談できますから、正しい診断を導き出せる確率がより上がっていると思います。なんせ親子ですから、お互い相手の判断が間違っていると思えばすぐ言えますし、「気兼ねなく」などというレベルではなく非常に相談しやすいです。

実際にすでに何例か、このような症状で整形外科を受診され、最終的には内科疾患の診断に至った方や、その逆の方もいらっしゃいました。

またこれと似たような話ですが、胸の痛みや背中の痛みで整形外科を受診した場合には、内科的な病気が隠れていないかの除外が必須であり、このような場合にも内科と整形外科が併設されていることのメリットを感じています。

 

3番目の「通院機会を減らせる」はそのままの意味ですね。もともと内科クリニックであった当院ではやはり高齢の方の割合も多く、特に整形外科にかかる高齢の方は何かしらの痛みを抱えており通院が大変な場合も多いので、内科と整形外科の両方に同時にかかることで通院機会を減らせるということが一番大きなメリットかもしれません。

 

逆にデメリットとしては、上記のような症状の場合に患者様がどちらの科にかかればよいのか迷うということと、スタッフが大変になるということでしょうか。

今回のリニューアル開院時より新たに参入したリハビリスタッフにはさほど影響はないと思いますが、医療事務スタッフ、看護スタッフについては、これまで30年間内科のみであったところに整形業務が加わる形であるため、確実に負担は大きくなっているでしょう。苦労を掛けていると思いますが、十分に対応してくれており日々感謝しております。少しでもスタッフの負担を減らせるように、私も自分に出来ることは全てやっていこうと思います。

 

ちなみにどちらの科にかかるか迷った場合にはどちらにかかっていただいてもかまいませんし、受付でご相談いただければスタッフが対応いたします。以前のブログでも書きましたが、私たちのような小さな個人クリニックにとって診療分野はあって無いようなものですので、どんな症状でもあまり悩まずにお気軽にご相談いただければと思います。

 

 

今週はまた寒さが戻ってきましたね。

三寒四温の日々が続きますが、体調を崩さないようお体に気を付けてお過ごしください。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

関連記事

  1. 腰痛に良い生活習慣とは?

  2. 整形外科の診療内容